食本ブログ ~No food No Life, No Book No Life~

「美味しい」本を捜す旅。「食「読みように食べ、食べるように読む]

縦書きへのこだわりと献立フレームワーク、そしてマスカルポーネ 「家めしこそ、最高のごちそうである。」

まさかの縦書き、右開きである。
「これはレシピ本じゃなくて、読み物なんだ!ちゃんと読めよ!」というメッセージなんだろうけど。
この人の料理の書き方は確かに細かい分量表示ないから、縦書きでも何とかなるんでしょうね。
材料の分量とかでは無くて、献立を立てる時に頭の中で描くストーリーを活字の流れに乗せたかったんだろうなあ…。

でも料理の手順をテンポ良く読書に「読ませ」るのってかなり特殊技能だと思う。佐々木氏の本は当然ロジカルでわかりやすいけど、料理が出来るプロセスを鮮やかに、湯気や香りが感じられるように…という意味では平松洋子さんとかの方がやはり鮮烈だと思う。
何というか、やはり佐々木さんの文章は料理というよりやはりシステマチック。
良い意味で頭で考えてから、味わってる感じ。

それでも献立の組合せを整理したフレームワークは一読の価値あり。料理のジャンルを取っ払って、素材と味、食感の組合せを整理してる。
普段家でご飯作る時、確かに無意識に似たようなことを主婦は考えて献立を組んでいる。
でもこうやって改めて言語化して整理して貰えると、思わず膝を打ちたくなってしまう納得感と新たな発見感がある。爽快。
それにしてもこの考え方って、何だか「昨日何食べた?」のシロさんメソッドと酷似し
てるなぁ。あっちの方が食費節約型だけど。

個人的には第5章がかなり真似したい度高かった。然も一つ当たりのレシピ字数少なめ。ここはSNS感覚で流し読み出来る。

そしてニクイのは、最後のレシピ逆引き用目次はしっかり横書きだった事。やられた。
どうやらこちらの思いはお見通しだったらしい…

マスカルポーネサラダと焼きそばとニンニク鍋を真似したい度:★★★★★
第三章と四章は旦那に読ませたい度:★★★☆☆

簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。

簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。