食べる事と生きる事〜森瑶子の料理手帖
40歳を迎えて初めてのお正月、とにかく「毎日好きな事を発信しよう」と決めた。
どんなに仕事や育児や家事忙しくても、毎晩自分が読んでいる物…「食」に関わる本やマンガ、TV番組だと気付いた。
ブログの一発目にまず思いだしたのは彼女、森瑶子。37歳で初めての小説を書き、その後ものすごい数の小説を書き、三人の娘を育て52歳でこの世を去った彼女。ワーキングマザーという言葉が流行するずっと前の事。
彼女の小説やエッセイを読んでいると「女」「母」「小説家」という役割の狭間でキリキリと悩みながら生きている彼女の思い、それでもそれぞれの役割で美しく誇り高くあろうとする彼女のなりのハンサムな矜持が貫かれている。
食べ物にもその「矜持」と「自分の価値観と合致するものだけを選び取る」
という不思議な合理主義が共存している。
最初に読んだのは中学生頃の頃だけど、今自分が家庭を持つようになってから改めて読読み返してみると共感する事が増えていることに気付く。
というよりも思春期〜成人、就職、結婚というライフステージを経る間ずっと
「彼女のようになりたい」という憧れから自分の価値感が醸成されていたのかもしれない。彼女がこの世を去ったのは52歳。私の年齢プラス12年後だ。
私は後12年で何を残せるだろう…と思いながら、この正月は必ず久しぶりにサーディン缶を買って「ヨロン丼」を食べるぞ!と決意した元旦。
ハンサムウーマン度:★★★★☆
すぐ食べたい度:★★☆☆☆